住宅としての解。展示場としての解を求め。

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本計画は住宅としての『見せ方』と展示場としての『見え方』を模索し具象化した。

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まず、本敷地は集合型の住宅展示場の幹線道路に面した一画（北東）に計画され

幹線道路からの視認性は良好である。

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この場所へ計画するにあたり、道路に面する他の展示場を覗うと

床面積確保のため敷地目いっぱいに計画されていた。

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広々とした床面積を獲得出来た代償として外側からみると

企業が違えど隣棟間が詰まり、どこかひと塊の大きな何かに見えてしまっていた。

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そこで本展示場の敷地南側にアウターリビングとして庭を確保し

隣棟の展示場からクリアランスを取り展示場の中で離れ小島のよう敷地レイアウトを行った。

全体からの独立した視認性を得ると共に、本来の住宅としての機能に寄与する南方からの光を取り込める計画とした。

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内部においては、年齢や個人の趣味趣向に対応するべく

「子供部屋」や「リビング」など明確な固有名詞を持った部屋はなるべく設けず

時間や季節、来客の有無による多様なシチュエーションに対応出来るようゾーニングを図った。

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そのことにより、猫のようにその日の気分や季節による心地よい場所を見つけ

コーヒー片手に読書や食事を行える空間づくりをコンセプトに据えた。

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それはベンチであり床であったり、小さくも大きくも扱える空間とすることで

住宅としてのフレキシブル性と展示場としてのフレキシブル性を両立させた。

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​本展示場のターゲット層は30代～40代の出産、子育て世代である。

子育て世代の住宅計画時の課題のひとつでもある「子供部屋」をどう扱うかという点について

中盤で書いた通り子供部屋を設けていない。

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出産～子育てに伴い多数の要望として子供部屋が必要となるが

子育てが終わった後の使われ方も想定しこちらに対する回答も用意した。

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部屋として固定の壁として仕切りを設けるのではなく

可動の棚を利用し年代や人数に対応できる仕切り方の提案を行った。

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共用の遊び場から共有の学習机、個々の学習机のレイアウトに対応し

学習期間を過ぎ、子供が一人、また一人が巣立って行った後の

使われ方に対するレイアウトも検討を重ねた。

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可動棚は棚や仕切りとしての機能だけではなく、電源の供給や上部に照明、中間部の扉を取外しモニターを置けるテレビボードとしての役割などの機能を詰め込んだ。